DAGON

DAGON

DAGON 02 スチュワート・ゴードン (ヴィデオ)

  『ゾンバイオ、死霊のしたたり』以来、HPラブクラフトに憑かれているゴードンは、念願の『インスマウスの影』を現代 に置き換えて映画化 した。株バブルで儲けた若きドットコム企業の社長が妻と知り合いの弁護士夫妻と一緒にヨット で休暇に出るが嵐で事故に遭い、近くの寂れた村に助けを求めに行くとそこは…、という典型的な展開なのだが、さす が緊迫感のある演出の上手い監督ならではの雰囲気造りで全然低予算には見えない。美術も本当の廃ホテルなどを 使っているのではないかな。 雨漏りのする部屋のベッドのシーツをめくると黴だらけ のところなんかホントに戦慄す る。この人の限定された空間での芝居の付け方の巧みさは演劇出身なのだからだろうか。でもSFものはダメだもんな あ。ホラーが大好きなんだろうね、心底。

 夜間の照明も白黒映画のように部分的に強い光線を当てるやり方で、ハリ ウッドの夜間撮影のような全体的に当てるものと異なり懐かしいし、それがキチンと作品の質を上げている。邪教の 王女が妖しく美しいのだけれども、かつてのホラー・クイーンのバーバラ・スティールそっくりなのですよ。 こういう新宿東映パラスにかかるような小品娯楽映画はいまやビデオスルーなのかな。

(角田)

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99ダーレン・アロノフスキー(ビデオ)

 ヒットしたのは、渋谷の地面にπの文字を蛍光塗料で描いたギミックじゃないだろうか。ナイトレイトショーを観る客には、心地よい「ああ、映画を観た」というタイタニック効果を与える点で良くできた作品には間違いない。危険さも安全さも枠内なので引くことものめり込むこともない。

 アイディアとしては短編のそれなので、果たして展開できるのかと思ったが、案の定というか妄想系引きこもりを延々と繰り返す能のないストーリーとなってしまった。作品としての想像力が現実を起点としているが、結局そこから広がっていかない。従ってカタルシスも得ることが出来ない。破綻のない作品を作るが、低予算でやっている分には問題ないだろう。

 昔で言えば、プログラム・ピクチャーの人なんですね。たとえば、RKOのロバート・ワイズとかジャック・ターナーのような監督。現実をねじ伏せるほどの力量はない。

(角田)